失敗はお互い様!これからできることに目を向けよう

失敗に対する認識を少しでも変えることができたでしょうか?日本人の謙虚さは美徳ではありますが、それは裏を返すと『自己肯定感が低い』ということにつながってきます。また、失敗をネガティブに捕らえすぎるところがあるようです。

アメリカの大学のビジネススクールのある教授は、『日本人は失敗を過剰に怖れている』という趣旨の発言をしています。たしかに、大企業で何か不祥事があると、トップが総退陣ということはめずらしくありませんが、これは外国から見ると奇異にとられるようです。

海外では、特にベンチャー企業では失敗しても過剰に失敗を責めることはまずありません。むしろ、失敗するのは当然のことであり最初から失敗も許容すべきだという考え方が一般的です。

また、最近になって自己責任という言葉をよく聞くようになりましたが、これも他者の失敗を許容する余裕のなさの現れのように思えます。失敗は確かに周囲に迷惑をかけることも多いですが、失敗しない人はまずいません。お互いさまということではないでしょうか。

自分の失敗にも他人の失敗にも寛容になれれば、何か新しいことに挑戦することのハードルが低くなります。新しいことに挑戦して、成功を収めるには時間がかかることもあります。実現するのに何年もかかることもあります。

ここで、小さな失敗を繰り返すたびにクヨクヨしてたら身がもちません。一時的には落ち込んでも仕方ありませんが、早めに立ち直らなければ次のステップに進むことができなくなってしまいます。レジリエンスが身に付けば、多少の失敗は怖くなくなり、自分のやりたいことに粘り強く取り組むことができるようになるのです。

発明王トーマス・エジソンはこんな趣旨のことを言っています。

『自分は失敗したことはない。このやり方では成功しないということを2万回も発見しただけだ』

生涯に1300もの発明を成し遂げた人手さえ、失敗の連続だったわけです。ここまでの心境に到達するのはちょっと難しいかもしれませんが、非常に勇気付けられることばです。

エジソンでなくても、社会的、経済的に成功している人は飄々としたあかるい人も多いのですが、そこまでにたどり着くまでの過程はじつに波乱万丈でびっくりさせられることもめずらしくありません。発達障害をかかえていたり、(エジソンもADHDだったといわれている)過去に事業に失敗して多額の負債を何年もかけて返済していたり、自己破産していることもあります。

それでも、そうした逆境から学びを得て最後には成功しています。こういう人たちは独特のオーラがありますが、それはおそらくPTGの作用だと思われます。

PTGとはトラウマ後の成長という意味です。最近の研究によれば、PTGを経験した人には人生観や価値観に強烈なパラダイムシフトが起こるということがわかっています。自分が生きていることや、身近な人に対して強い感謝の気持ちをを持ったり、社会に貢献できる仕事がしたいと考えるようになるのです。

失敗はできればしたくないものですが、乗り越えたあとに大きな成功や喜びが待っていると考えれば、それほど怖れる必要はないということなのでしょう。自分の失敗にも他者の失敗にも、もっと寛容になれるといいですね。

失敗をひきずらないために…。本当に好きなことをやろう!

趣味や得意なことが自信に繋がるのは大人も同じです。また、好きなことに没頭するとネガティブな感情が増幅するのを抑えることができます。短時間でも没頭できることをすれば、いい気分転換になります。毎日強いストレスを感じている人は、その日のうちに解消できる趣味や気晴らしを見つけましょう。こうした気分転換に有効なものは、大きくわけて以下の4つがあります。

①運動系
②音楽系
③呼吸系
④筆記系

①の運動系は、文字通り体を動かすもので、水泳、ジョギング、ウォーキングなどがあります。有酸素系の運動は体にいいばかりではなく、ストレスを減らして不安を解消してくれる効果があります。実際、うつ病の患者に何らかの有酸素運動を4ヶ月つづけるようアドバイスしたところ、症状がかなり改善され、しかもほとんどの人に再発が見られなかったという研究報告があったのです。

②は好きな音楽を聴くのもいいし、自分で楽器を演奏するのも効果的です。音楽は脳にポジティブな影響を与え、脳の快楽を刺激する部分を活性化させてくれることがわかっています。楽器を演奏することもいいストレス解消になります。

ただ、パンクロックやハードロックなどの激しい音楽は、怒りのホルモンといわれるノルアドレナリンが出てしまうことがあるので要注意です。個人の好みはあると思いますが、できればゆったりと身をゆだねられるような音楽にしましょう。

③呼吸がストレス解消になるのか?という疑問をもつ人も多いかと思いますが、実は呼吸と感情には密接な関係があるます。たとえば、ほっとしたときはフウーと大きな息をつきますよね?また、強いストレスを感じると呼吸が止まっていることもあります。

ネガティブな感情を感じているときは呼吸が浅くなっていることも多いのです。こういったときは一度深呼吸することがいいのですが、仕事の合間にマインドフルネスを取り入れる方法もあります。マインドフルネスの提唱する呼吸法は仏教の瞑想をもとに科学的に開発されたもので、世界中の大手企業が社員研修の一環として取り入れています。

やり方は何種類かありますが、簡単に言うと、椅子に背筋を伸ばして浅く腰掛け、自分の呼吸に注意しながら深呼吸する方法が一般的です。これなら仕事の合間に気軽にできそうですよね?マインドフルネスのセミナーは日本でもやっているので、一度指導を受けてみてもいいでしょう。

④は文章を書くことですが、文章を書くということはネガティブな感情をクールダウンさせる効果があります。うつ病の治療の一環として毎日日記を書かせることもあるそうです。最近はフェイスブックやツイッターなどSNSで文章を書く機会が増えていますが、人目があるので、書ける内容に制限があります。

しかし日記は、自分だけが見るものなので、ネガティブな気持ちを遠慮なく吐き出すことができます。いい悪いにとらわれず、好きなように書いていいのです。自分の好きなことであれば、例えば、おいしい料理やスイーツを紹介するブログを書くことが楽しいなら、SNSも多いに活用しましょう。

人は好きなことに没頭しているとフローという状態になります。この状態に入っている人は寝食も時間もたつのをわすれて、それに没頭しています。それでいてまったく疲れを感じないのです。フロー体験はネガティブな感情を抑えるだけでなく、エネルギーがみなぎってきます。

ネガティブな感情をすばやく断ち切れる習慣を見つければ心身の消耗はふせぐことができます。自分にあったストレス解消法を一つでいいから見つけましょう。

子どもの言動にイライラしない方法とは

発達障害の子は対人関係が苦手です。ですから、親はどうしてもそこを改善することを優先しようとするのですが、基礎的な生活習慣が身につかないと、対人関係もうまくいきません。発達障害を抱えた人は、大人になっても遅刻を繰り返してしまったりします。そういった困難を少しでも減らすために、まずは生活習慣をじっくり身に着けることに重点をおきましょう。

発達障害の子の親に必要なのは『あせらない』ことです。発達障害の子が生活習慣を身につけるのは、どうしても時間がかかります。生活習慣が整ってくれば、自己肯定感が生まれ、自律性が身についてきます。それまではとにかくあせらずに生活習慣を身に付けさせることに集中しましょう。

自律性が出てきたら、少しずつ新しい経験をさせて成功体験を積み重ねていきましょう。新しい経験をすることは、失敗の数が増えることでもあります。ここでも親はあせらずに子どもをサポートする必要があります。

発達障害の子は一般の子どもより失敗することが多く、目だってしまいます。最初は保護者が手を貸し、なるべく多くの成功体験ができるようにしてあげましょう。成功体験が増えていけば、自信がつき、多少の失敗をしても立ち直ることが出来るようになります。

成功体験を多くするたまには、まず経験の種類を細かく分類してみましょう。

・未体験のもの
・実行するのがまだ難しいこと
・言われたらできること
・もう少しでできること
・ほとんどできること
・できること

この中で成功体験になりやすいのは、ほとんどできることになります。発達障害の子には、そうでない子には何でもないことも意外とハードルが高いことも多く、失敗して落ち込むことになりかねません。ゆっくり、確実に成功したという経験を積み上げていくようにしましょう。

苦手なことに直面したら、人を頼っていいということもはっきり伝えておく必要があります。苦手な分野で何度やっても失敗していたら、それを避けるようになり、孤立を招くこともあります。孤立してしまったら、周囲のサポートを受けられなくなって、悪循環になってしまいます。失敗したら、遠慮なく相談すればいいと伝えておきましょう。

失敗しても、頼っていいと学習すれば、失敗を怖がらなくなり自己肯定感もつよくなっていきます。発達障害がなくても人間には苦手なことが必ずあります。まだ社会経験の少ない子どもが不安になるのは当たり前です。助けを求められたら、気持ちよく応じてあげましょう。

また、その子の得意なことや趣味を尊重してあげるのも大事です。発達障害の子は生活習慣や学習面で他の子より習得が遅かったり、まとはずれなことをやって誤解を受けることもおおいので、劣等感をもちやすくなります。その子の得意なことや趣味をサポートしてあげれば自信につながる、人間関係の幅をひろげるチャンスができ、社会との距離を縮めることができます。

今は発達障害の子どものためのNPOやサークルもたくさんあります。子どもに合いそうなところを探して、人間関係や行動範囲を広げていきましょう。

親子関係の改善にも有効なレジリエンス

レジリエンスが役に立つのはここまでは、仕事だけではありません。子どもの成長にもレジリエンスは必要になってきます。

ストレスを抱えているのは大人だけではありません。子どもも10歳を過ぎて多感な時期に入ると、意外と対人関係でストレスをかかえやすいといわれています。親との関係がギクシャクすることもめずらしくありません。中でも、特にストレスを抱えやすい子どももいます。発達障害の子どもたちです。

発達障害にもいろいろあるのですが、比較的多いものは以下のようになります。

・ADHD(注意欠如・他動性障害)
不注意(集中力がない)他動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)などの症状がある。学習や社会的活動に支障をきたす。子どものころは落ち着きがない子との誤解をうけることが多い。大人になって初めてADHDと診断される例も少なくない。

・ASD(自閉スペクトラム症)
対人関係に困難を伴う、言葉の発達に遅れがある、変化に弱い、こだわりが強いなどの特徴がある。空気が読めない、頑固などの誤解をうけることも多い。

・LD(学習障害)
全体的な知能の遅れはないが、読み書きや計算などの能力の一部が育ちにくい。学習意欲がないと思われることがある。

最近では発達障害という言葉も少しづつ知られるようになってきましたが、まだ充分な理解が得られるようになったとはいえません。発達障害をしらない人から見れば、問題児のように見えてしまいます。

こうした障害をもつ子は、周りの子どもたちと同じことができないことも多く、必要以上に自己嫌悪に陥ったり、劣等感にさいなまれてストレスをかかえてしまうことが少なくありません。

発達障害は生まれつきその人が持った特性ですから、治療することはできません。一生ついてまわります。したがって、生涯を通じて様々な困難に直面することが考えられます。だからこそ、落ち込むことがあってもまた回復する力、レジリエンスを早いうちから育てていく必要があるのです。

そして、そういった子と向き合う親はレジリエンスが育ちやすい家庭環境を作ることを心がける必要があります。発達障害の子のレジリエンスを育てるには、どうしたらよいのでしょうか?

第一歩としては、生活習慣を整える必要があります。発達障害の子は時間の感覚が身につけにくいことが多いといわれています。集中すると周りが見えなくなる子もいます。まずは親が予定表を作って、子どもに見せることからはじめます。一日、一週間と時間を徐々に意識させていきます。慣れてきたら、子どもに予定を考えさせてみましょう。時間はかかりますが、最終的に自分で予定表を作れるようになる子もいます。

親はどの時点でも、なるべく頻繁に声がけしたり、一緒に予定を確認していきましょう。

発達障害の子は空気が読めないと思われることがありますが、悪気があるわけではなく、本当にわからないのです。曖昧な情報をあたえられただけでは理解が難しいので、具体的に細かく指示してあげる必要があります。

予定表のほかに、必要な生活習慣の手順、例えば歯磨きや片付けのやり方などをを紙に書いて壁に貼っておくなど、子どもがなるべく困らない環境を整えてあげましょう。

失敗体験を共有することもレジリエンスを育てる

1マイルの壁を破った選手は周囲に何を言われても、軸がぶれることはありませんでした。レジリエンスには、自分を客観視して冷静に状況に対処する技術が欠かせません。この技術はどうやったら身に着けることができるのでしょうか?

第一歩は、自分が過去に逆境に置かれたときの状況を振り返ってみることです。体験した当時は、つらい思いをしたかもしれませんが、今冷静に思い出してみれば、『あれがあったから今の自分がある』『あの出来事があったから成長できた』という部分があるのではないでしょうか?

逆境のさなかにあるときは、冷静に状況を判断するのは難しくなることがあります。つらかった体験を自分の成長体験として改めて客観的に見てみれば、その体験に新しい意味づけができるかもしれません。その体験をいちど紙に書き出して、再構築してみましょう。

そして、できればそれを誰かに話して共有することが望ましいです。実際にレジリエンスを学ぶためのセミナーでは、数人のグループをつくって自分のオリジナルの『レジリエンス・ストーリー』を発表する場を設けているそうです。つらい体験を話しているはずなのに、雰囲気は非常に和やかで、笑い声が聞こえることもしばしばだそうです。

発表するだけでなく、聞き手からいくつか質問をしてもらうそうです。『そこから何を学んだか?』『その経験にはどんな意味があったのか?』といったことを他者から問いかけられると、自分では忘れていたことが思いがけずよみがえることがあります。その忘れていたことが自分にとってとても大事なことだったということも少なくありません。

これといってたいした問題ではなくても、『なんとなく仕事が面白くない』『同僚とそりが合わない』など日常のちょっとした不満でも、つもり積もれば気が付かないうちに大きなストレスになっていく可能性があります。

自分を客観的に見ることは、こういった状況を打破するきっかけにもなります。自分は何のためにこの仕事、この会社を選んだのか?この仕事は社会にどんな風に役にたっているのか?こういった質問を改めて自分にしてみることで、今の仕事の新しい局面が見えてくるかもしれません。

それでも解消されないようだったら、将来、自分のキャリアのために今の仕事に何か役に立つことがあるだろうか?今の仕事をすることで、家族にどんないいことがあるか?などもっと視野を広げた質問を投げかけてみましょう。

社会に何の影響も及ぼさない仕事というのは存在しません。たとえば、車の部品のネジを締めるだけの単純作業であったとしても、車はそういった小さな作業の積み重ねで車になり、街を走っているのです。一見つまらなく思える仕事でも、そうした見かたをすることで新しい意味を見出したり、動機付けになることがあるのです。

つらい状況にあっても、何らかの意味や意義を見出すことができればその状況を乗り越えることは不可能ではありません。

自分に似た成功者(ライバル)をお手本にしよう!

代理体験は自分の身近な人の行動を観察して、自分もそれを追体験することで『自分にもできる!』という自信をつけることができます。現役のプロのアスリートや俳優などをお手本にするというのも悪いことではないのですが、あまりに自分と実力がかけ離れて高い人をお手本にしていしまうと、『やっぱりダメだ~!』と失望感にさいなまれることになります。

できるだけ、自分と年齢が近く立場も似ている人を選ぶと効果が得られやすいです。人間の脳には、自分の目の前におきたことをまるで本当に自分が体験したことのように共鳴する部分があります。この部分を『ミラーニューロン』といいます。

また、自分に近い立場の人が困難なことをやり遂げると『自分にもできる!』という自信が生まれることがあります。ですから、何か新しい挑戦をするとき、例えば英会話を短期間で習得するときは、一人ではなく何人かと一緒に学ぶと上達が早くなるし、自分より成果が早く上がった人を見れば、『あいつができたんだから、自分にできないはずがない!』という気になれます。

実際、代理体験をとおして不可能を可能にした実話があります。もう何十年も前の話ですが、イギリスに中距離の陸上選手がいました。彼はオリンピックに出場できるほどの実力者でしたが、惜しくも4位に終わりメダルをとることはできませんでした。

一時は引退も考えましたが、すぐ思い直して続けることを決意します。さらにとんでもない宣言をします。当時、越えるのが絶対不可能と考えられていた『1マイル4分の壁』を超えてみせると公言してしまったのです。

しかし周囲の反応は冷ややかでした。特に科学者は批判的でした。当時は人間が1マイル(約1.6km)を4分以内に走るのは不可能というのが常識でした。しかし彼は周囲のそんな声はどこ吹く風で毎日トレーニングを続けました。

無謀とも思える挑戦だったのですが、同時に彼の周囲に思わぬ影響を与えました。彼のライバルの選手たちが続々と『1マイルの壁』を超えるべく、トレーニングを開始したのです。記録保持者でもない無名の選手に注目が集まったのが面白くなかったというのが本音だったようですが…。

しかし、予想以上に壁は厚く、なかなか破ることができません。彼の周りの人間もあきらめるようにうながしたのですが、彼はまったく聴く耳をもちませんでした。

しかし、ある日の試合で3000人近い観衆が見守る中、彼はとうとう3分59秒という記録をたたき出したのです。その記録はギネスブックにのることになりました。しかし、話はここで終わりません。なんと、その記録は2ヵ月後にあっさりと破られることになりました。破ったのは、ライバルのオーストラリア人選手でした。

それだけではありません。4分の壁を破った選手が1年以内に、なんと23人にもおよんだのです。『1マイル4分の壁』は人間が勝手に作り出した『思い込み』だったのです。

一緒に切磋琢磨するライバルがいるということが、レジリエンスを鍛えるのにも効果があるということですね!

自信を取り戻す方法をみつけよう!

自信のことを心理学では『自己効力感』といいます。これは、『自分はぜったいできる!』という強い信念です。レジリエンスを鍛えるには、欠かせない要素です。

自己効力感の強い人にはこんな特徴があります。

・仕事の遂行能力が高い
・ストレスフルな状況でも実力を発揮できる
・健康を維持することができる
・人間関係が良好である
・仕事以外でも(スポーツや学業)でも高い成績をおさめることができる

当然ながらこういう人はレジリエンスも高いのです。こういう人が集まった組織は、一見困難とも思える事業を次々と成功させることができるのです。

いまの自分に自信のない人でも、自己効力感は訓練で高めることができます。それには次の4つの方法があります。

・直接的達成経験
・代理的経験
・言語的説得
・生理的・情動的喚起

一番効果が高いのは直接的達成経験です。小さな挑戦をして、少しずつ達成と成功の体験を積み重ねていく方法です。しかし、失敗すると逆に自信を失ってしまう可能性もあります。そこで、他の3つもうまく組み合わせて少しずつ自信をつけていく必要があります。

直接的達成経験は、自分の設定したゴールを多少の困難があってもあきらめずに達成するということを繰り返していくことで自己効力感を高めます。万が一失敗しても、『やっぱり自分には無理だ』など、自己否定するような捕らえ方をしてはいけません。『何か解決方法があるはず』とか『最後には必ず上手くいく』といった前向きな考え方をする必要があります。

ゴールを設定するときは、いきなり大きなものではなく、段階的にゴールを決めて一つづつ達成していくようにすると無理がかかりません。

代理的経験は、他の人の行動を注意深く観察して『自分にもできる』という信念をもつことで自己肯定感が生まれます。これを『観察学習』といいます。

『言語的説得』は、励ましのことです。まわりの人から『君ならできる!』といったような言葉をかけ続けられることです。これは自分の強みを認識できる効果があります。注意点としては結果をほめるよりも、プロセスをほめるほうが効果的です。子どもをほめて伸ばすということにも通じるやり方ですね。

生理的・情動的喚起はポジティブになれる環境に身を置くことで自信をつける方法です。自分が安心できる環境なら、人は自然にポジティブになれるものです。そういった雰囲気の中で、たとえば英会話などの練習をすれば積極的に人に話しかけたりして上達が早まったりします。

この4つの中では直接的経験が、一番体得しやすいといえます。いつもの仕事の中で改善点を見つけたり、時間的な制限をかけたりと自分で工夫して小さなゴールを設定することは可能です。

自信は失敗したり、困難な状況でくじけそうになったときにこそ必要になるものです。仕事や普段の生活のなかですこしずつ自己効力感を高めていく工夫をしていくことが大事です。毎日、ちょっとしたことに挑戦する習慣をつけておきましょう。

一人で抱え込まなくていい!人に頼ろう

たくさんの仕事をいろいろ任されるのは、信頼されている証ではありますが、人の期待に答えようとして言われるがままに何でも引き受けていると、結局仕事が遅れ、それが原因でストレスがたまります。

まじめで頑張りやな人ほど、この傾向は強くなります。ストレスがたまって、心が疲弊してくると、ついつい周りと自分を比較して、『あの人はちゃんとできているのに何で私は出来ないんだろう』と自己嫌悪に陥って、ますます精神的に参ってしまいます。

苦手な仕事が回ってきたときと同様に、あまりにいろいろ抱えすぎて大変になったら、一人で全部できる!と強がらずに、信頼できる人に頼るほうが得策です。実際、レジリエンスの高い人はいざというとき頼れる人を5人くらい想定しています。こういう人たちをあるレジリエンスのトレーナーは『サポーター』とよんでいます。

この五人は、会社の中の人でなくてもかまいません。あなたに理解を示し、味方になってくれる人です。友達でも、家族でも、恋人でもいいのです。日本ではまだあまりなじみがありませんが、海外のトップクラスのビジネスマンはお金を出してコーチングをうける人もいます。そういった人もサポーターにはいるかもしれません。

5人いうのは目安ですが、一人だと少なすぎるかもしれないし、あまり多くてもいい関係を保ちつづけるのが難しくなるかもしれません。サポーターは『助力』『情報』『助言』『親密』の4つに分けることができます。

『助力』は、困難な状況にあったときに助けてくれる人です。『情報』は困ったときに必要な情報をくれる人になります。『助言』は適切なアドバイスをくれる人、『親密』はつらいときに一緒にいてくれるだけでほっとする人です。

40代以上の会社員の男性にうつが多いのは、こうしたサポーターが少ない、または一人もいないのが原因かもしれません。また、女性は横のつながりを作るのが男性よりはうまいですが、集まって飲みながら愚痴を言い合うような関係に固まってしまっているかもしれません。

あなたにとって頼りになるサポーターは誰か、考えてみましょう。紙に名前を書き出してもいいかもしれません。逆に、あなたは誰かのサポーターになれているでしょうか?

最近はあまり聞かれなくなりましたが、朝から晩まで家庭のことは二の次で滅私奉公するサラリーマンを『企業戦士』とよぶことがありました。一生懸命働くのはいいことですが、なんだか孤独な感じのする呼び方です。しかし、現在はグローバル化が進んで、仕事の内容もどんどん複雑になり、スピードも要求されるようになりました。企業戦士的な働き方で働きつづけることは困難です。上司の言うことは絶対の上下関係もくずれつつあります。

実際、海外で世界的に成功を収めているIT企業は明確な上下関係がないところがほとんどです。自分の仕事をしながら周りの人たちと話し合い、アイデアを出し合える雰囲気になっています。成功を収めやすい会社というのは、こうした人と人とのつながりができている会社が多いのです。

もしあなたが今の職場での人間関係に不満やわずらわしさを感じていたら、まずは自分からどうしたら改善できるかを考えて見ましょう。意外と取るに足らない思い込みが邪魔をしているだけかもしれません。

苦手な仕事が回ってきたらどうすればいい?

会社勤めをしていると、苦手でもやらなくてはいけない仕事はかならずでてきます。しかし、苦手なものは努力してもなかなか上手くできるようになるものではありません。こんなときは、どのように対処したらいいのでしょうか?

実は仕事ができる人というのは、人に頼みごとをするのが上手な人でもあるのです。意外ですよね?人に助けを求めることの出来る能力を心理学では『援助希求能力』といいます。この能力、一見するとレジリエンスには何の関連もないように思えますが、実はレジリエンスと深く関わっている能力なのです。

とはいえ、助けるを求める相手だって自分の仕事があるのですから、やみくもに助けを求めるのはNGです。まずは、自分でできる限りのことはやってみましょう。その上で、ココから先はどうしても出来ない!というところで助けを請うのです。自分のできる限りのことをした上で助けを求められているとわかれば、相手もいやとは言わないはずです。

また、優れたリーダーという人は自身も人に頼るのが上手です。優れたリーダーというと、どんな重い責任も一人で引き受けて、ガンガン仕事をこなし、部下の相談にも乗る、という鋼のような精神を持った人を想像しがちですが、実はそうでもありません。

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自分ではわからない、どうしようもないというところがあれば素直にそれを認め、積極的に第三者に助けを求めるのです。とある大学の研究では、独立独歩で仕事をこなす上司よりも、積極的に回りに助言を求める上司のほうが業績が高い傾向があると報告されています。

人はストレスを感じると、コルチゾールというストレスホルモンが分泌されます。しかし、周囲からサポートを受けられる環境にある人は、コルチゾールの分泌が少ないという研究結果もあります。

一般的に日本人は人に迷惑をかけてはいけないのが美徳と考える傾向があります。だからといって、問題をひとりで抱え込むのは健全なことではありません。日本は世界的に見ても、自殺率の高い国です。これは『援助希求能力』が低いことのあらわれでもあります。

レジリエンスの高い人は、自分で何でも解決するということに固執しません。いま自分が置かれている状況を踏まえて、合理的で現実的な判断をすることができるのです。

とはいえ、社員同士が信頼し合える恵まれた環境というのは運でもあります。もし、あなたの働いている会社が人に頼ることができない環境だったらどんな対処法をかんがえればいいのでしょうか?

2通りの方法があります。同じ部署の中でなくてかまわないので、サポートしてくれる人を一人でいいから見つけることです。その人が困っているときは、あなたがサポーターになってあげましょう。

それすら難しい環境であれば、移動届けを出すことも選択肢にいれたほうがいいかもしれません。助け合いのできない環境で仕事をし続けたら消耗する一方で、いいことは何もありません。いっそ転職することも考えたほうがいいケースもありえます。

ブラック企業でレジリエンスが育たない理由とは

レジリエンスを鍛えるには自身の努力も必要ですが、一人では限界があります。責任感が強く、どんなに大変な仕事でも文句も言わずにこなそうとする人がいます。その姿勢は立派ですが、ひとりでできることは限られています。そこへ何かトラブルがおきると失敗を招き、ネガティブな感情が生まれそれが原因でまた失敗して…という負の連鎖を招きかねません。

失敗が次々重なると、自分でも気付かないうちに無力感に陥ってしまいます。そうなると、仕事に関係ない分野でも無力感を感じるようになり、次第に無力感が癖になってしまいます。これを『学習性無力感』というのです。

働き盛りのサラリーマンがうつ病になったり、若者が引きこもりになったりするのは、この学習性無力感が一因と考えられるのです。学習性無力感に陥るプロセスは以下のようになります。

①失敗など、不快な出来事が起こる。
②この状況を自分では変えることができないと思い込む。
③将来もこの状態が続くと思い込み、悲観的になる。
④将来も自分のいる状態をコントロールできないだろうと思い込む。
⑤無力感を学習する。

最近は従業員を過酷な労働環境で働かせるブラック企業が社会問題になっていますが、ブラック企業に勤める社員が無力感にさいなまれ労働意欲を失うのは、このような過程で起こると考えられます。

①過重労働など、不快な体験が続く。
②自分ではこの状況を変えられないと認識する。
③将来もこの労働環境が続くと考え、悲観する。
④将来も自分のいる状態をコントロールできないと認識する。
⑤無力感を学習する。

また、ブラック企業とは言わないまでも、困ったときに周囲に助けを求められない職場環境も問題があります。人間関係が悪い、人事異動が少なく風通しが悪い、社員同士がお互いを気にかけたり、手を差し伸べることをしない。

このような環境では、まじめで頑張りやの人ほどメンタルをすり減らしてしまいます。どんなに頑張っても努力しても誰にも認めてもらえなければ、無気力、無関心が横行するのは当然の結果とではないでしょうか?

また、先述した思い込みが邪魔をして、困っていても助けを求めることができない場合もあります。

何かミスをしたら、『迷惑をかけてもうしわけない』とか、『自分の力不足が原因だ』と思い込み、すべてをひとりで背負い込んでしまうことがあります。また、自分と他者を比べる癖のある人は、ダメな人間だと思われることを怖れて、失敗を隠してしまうこともあります。

人を頼ったら迷惑がられるのでは…と思うかもしれませんが、ほとんどの場合、それは杞憂です。人は、自分が頼りにされているとわかると、喜びを感じるものなのです。

レジリエンスを高めるには、周囲の人の支えも必要なのです。精神的な落ち込みからの回復が早いひとは、いざというとき支えになってくれる人が近くにいることが研究で明らかにされています。これを『社会的支援』といいます。

助け合い精神のない会社はメンタルに悪影響を及ぼすばかりでなく、成長も見込めません。