自分に似た成功者(ライバル)をお手本にしよう!

代理体験は自分の身近な人の行動を観察して、自分もそれを追体験することで『自分にもできる!』という自信をつけることができます。現役のプロのアスリートや俳優などをお手本にするというのも悪いことではないのですが、あまりに自分と実力がかけ離れて高い人をお手本にしていしまうと、『やっぱりダメだ~!』と失望感にさいなまれることになります。

できるだけ、自分と年齢が近く立場も似ている人を選ぶと効果が得られやすいです。人間の脳には、自分の目の前におきたことをまるで本当に自分が体験したことのように共鳴する部分があります。この部分を『ミラーニューロン』といいます。

また、自分に近い立場の人が困難なことをやり遂げると『自分にもできる!』という自信が生まれることがあります。ですから、何か新しい挑戦をするとき、例えば英会話を短期間で習得するときは、一人ではなく何人かと一緒に学ぶと上達が早くなるし、自分より成果が早く上がった人を見れば、『あいつができたんだから、自分にできないはずがない!』という気になれます。

実際、代理体験をとおして不可能を可能にした実話があります。もう何十年も前の話ですが、イギリスに中距離の陸上選手がいました。彼はオリンピックに出場できるほどの実力者でしたが、惜しくも4位に終わりメダルをとることはできませんでした。

一時は引退も考えましたが、すぐ思い直して続けることを決意します。さらにとんでもない宣言をします。当時、越えるのが絶対不可能と考えられていた『1マイル4分の壁』を超えてみせると公言してしまったのです。

しかし周囲の反応は冷ややかでした。特に科学者は批判的でした。当時は人間が1マイル(約1.6km)を4分以内に走るのは不可能というのが常識でした。しかし彼は周囲のそんな声はどこ吹く風で毎日トレーニングを続けました。

無謀とも思える挑戦だったのですが、同時に彼の周囲に思わぬ影響を与えました。彼のライバルの選手たちが続々と『1マイルの壁』を超えるべく、トレーニングを開始したのです。記録保持者でもない無名の選手に注目が集まったのが面白くなかったというのが本音だったようですが…。

しかし、予想以上に壁は厚く、なかなか破ることができません。彼の周りの人間もあきらめるようにうながしたのですが、彼はまったく聴く耳をもちませんでした。

しかし、ある日の試合で3000人近い観衆が見守る中、彼はとうとう3分59秒という記録をたたき出したのです。その記録はギネスブックにのることになりました。しかし、話はここで終わりません。なんと、その記録は2ヵ月後にあっさりと破られることになりました。破ったのは、ライバルのオーストラリア人選手でした。

それだけではありません。4分の壁を破った選手が1年以内に、なんと23人にもおよんだのです。『1マイル4分の壁』は人間が勝手に作り出した『思い込み』だったのです。

一緒に切磋琢磨するライバルがいるということが、レジリエンスを鍛えるのにも効果があるということですね!