親子関係の改善にも有効なレジリエンス

レジリエンスが役に立つのはここまでは、仕事だけではありません。子どもの成長にもレジリエンスは必要になってきます。

ストレスを抱えているのは大人だけではありません。子どもも10歳を過ぎて多感な時期に入ると、意外と対人関係でストレスをかかえやすいといわれています。親との関係がギクシャクすることもめずらしくありません。中でも、特にストレスを抱えやすい子どももいます。発達障害の子どもたちです。

発達障害にもいろいろあるのですが、比較的多いものは以下のようになります。

・ADHD(注意欠如・他動性障害)
不注意(集中力がない)他動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)などの症状がある。学習や社会的活動に支障をきたす。子どものころは落ち着きがない子との誤解をうけることが多い。大人になって初めてADHDと診断される例も少なくない。

・ASD(自閉スペクトラム症)
対人関係に困難を伴う、言葉の発達に遅れがある、変化に弱い、こだわりが強いなどの特徴がある。空気が読めない、頑固などの誤解をうけることも多い。

・LD(学習障害)
全体的な知能の遅れはないが、読み書きや計算などの能力の一部が育ちにくい。学習意欲がないと思われることがある。

最近では発達障害という言葉も少しづつ知られるようになってきましたが、まだ充分な理解が得られるようになったとはいえません。発達障害をしらない人から見れば、問題児のように見えてしまいます。

こうした障害をもつ子は、周りの子どもたちと同じことができないことも多く、必要以上に自己嫌悪に陥ったり、劣等感にさいなまれてストレスをかかえてしまうことが少なくありません。

発達障害は生まれつきその人が持った特性ですから、治療することはできません。一生ついてまわります。したがって、生涯を通じて様々な困難に直面することが考えられます。だからこそ、落ち込むことがあってもまた回復する力、レジリエンスを早いうちから育てていく必要があるのです。

そして、そういった子と向き合う親はレジリエンスが育ちやすい家庭環境を作ることを心がける必要があります。発達障害の子のレジリエンスを育てるには、どうしたらよいのでしょうか?

第一歩としては、生活習慣を整える必要があります。発達障害の子は時間の感覚が身につけにくいことが多いといわれています。集中すると周りが見えなくなる子もいます。まずは親が予定表を作って、子どもに見せることからはじめます。一日、一週間と時間を徐々に意識させていきます。慣れてきたら、子どもに予定を考えさせてみましょう。時間はかかりますが、最終的に自分で予定表を作れるようになる子もいます。

親はどの時点でも、なるべく頻繁に声がけしたり、一緒に予定を確認していきましょう。

発達障害の子は空気が読めないと思われることがありますが、悪気があるわけではなく、本当にわからないのです。曖昧な情報をあたえられただけでは理解が難しいので、具体的に細かく指示してあげる必要があります。

予定表のほかに、必要な生活習慣の手順、例えば歯磨きや片付けのやり方などをを紙に書いて壁に貼っておくなど、子どもがなるべく困らない環境を整えてあげましょう。