自分の感情を客観的に観察する

先述のけん玉の例でも取り上げましたが、目の前の小さなことに、いちいち反応する人はすぐにエネルギー不足になって集中力がなくなってしまいます。レジリエンスの高い人は常に冷静沈着でいられる、感情のコントロールが上手な人であるといえます。

そういえば、野球やサッカーなどで世界をまたにかけて活躍するアスリートは試合中、ピンチに絶たされてもポーカーフェイスで粛々と対応するタイプが多いようです。イチローなどはその典型的な例ではないでしょうか。一流アスリートと一般の人では、何がちがうのでしょうか?

これはメタ認知能力がカギを握っています。『メタ認知』とは、自分の行動や感情を客観的に見ることができる能力のことをいいます。このメタ認知能力が低い人は、抽象思考が苦手な傾向があるといわれています。

言いかえると目の前の出来事にとらわれすぎて、物事の全体を見て考えるということができないのです。例えば、自己中心的で周りの人を困らせてばかりいる人などはこの傾向が高い人といえそうです。自分が周囲の人からどうみられているかということに考えが及ばないのです。

逆にメタ認知能力が高い人は自分がいまどう感じているか、どんな行動をとればいいかを冷静に判断することができます。何かトラブルが起こったとしても、パニックにならずに対処方を考えることができるのです。

この能力は仕事や人間関係に大きな影響をもたらします。たとえば、仕事で大きなプロジェクトの責任者に任命されたら、その仕事をどこまで自分でやれるか、何を部下にまかせたらいいかなどを冷静に判断する必要があります。

恋愛でいえば、相手を観察して悩みがありそうだとか、不機嫌だといった感情を読み取って、話を聞いたり、あまりわがままを言わないなどの対応をとって、関係にヒビが入らないようにすることができます。

自分はメタ認知能力が低いかも…。と思った人、がっかりする必要はありません!メタ認知能力はちょっとした工夫で鍛えることができるのです。

日記をつけることは、メタ認知能力を高める効果が期待できます。フェイスブックやツイッターなど、人目につくSNSは反応がかえってくるので、より効果的です。文章は苦手…。というひとは、まずは箇条書きからはじめても大丈夫です。少しづつつづけていれば、その日の出来事で何が自分にとって重要だったかわかるようになってきます。

物事を『要約する』のもメタ認知能力の向上に役立ちます。例えば、会議の要点をまとめてみる、本や映画の内容を要約してみる、人に話してみるといったことを習慣づけるといいでしょう。要約とは、全体を俯瞰してみて重要な点を抜き出したり、共通点を見出したりする能力で、メタ認知能力をフル稼働させないとできないのです。

他には、図を描いて視覚化することもメタ認知能力が必要とされる作業です。仕事の問題点をチャートにしてみる、一枚の紙にまとめてみる、ということを心がけると次第にメタ認知能力が上がってきます。

自分のおかれた状況や感情を客観視する癖をつけましょう。