ネガティブな感情もレジリエンスには必要

レジリエンスには、つらい状況にあっても『続けていればそのうちできるようになる』『これくらい大したことはない』と思うことができる、楽観的な視点やポジティブな考え方が必要になってきます。

しかし、楽観的な考え方は思わぬ落とし穴におちることもあります。楽観的になりすぎて、自分に都合のいいことばかりに目をむけ、努力したり対策を講じることをおこたると、いずれ困ったことになるのは目にみえています。

例えば、働かずに宝くじを月に何万円も買い続けていたら、いずれ生活は破綻してしまいます。現実に目を向けない楽観性は役にたたないどころか、とんだ悪影響を及ぼすこともあるのです。

何か失敗すればネガティブな感情が湧いてきます。これは自然なことであり、自分で押さえつけることはできません。でも、ネガティブなことばかり考えていては苦しくなるばかりです。しかし、ネガティブな感情も上手く利用すればレジリエンスの向上に役立てることができます。

例えば会社で、大きなプロジェクトを任されたとします。『失敗したらどうしよう!』と不安でいっぱいになります。そこで、あらゆる形の失敗を想定して何かおきたらすぐ対処できるよう、対策を何種類もも講じておくことで、仕事を円滑に進めることができます。

また、最悪の事態にそなえて、何度も何度もシュミレーションを繰り返して、自分で納得のいくレベルまでもってくることができてから取り組めば、あせることもありません。ネガティブであったり臆病であるからこそぬかりなく準備することができる才能をもつ人も少なくないのです。

楽観的でも悲観的でも、困難な状況を乗り越えることは可能なのです。ただ、どちらも実際に何らかの行動を起こさなければ何の意味もありません。いまおかれている状況で最善の行動をとることが重要なのです。

とはいえ、やはりネガティブな感情が長く続くのはつらいものです。どこかで断ち切って、頭を切り替える必要があります。人にはそれぞれ考え方に癖があります。何でもネガティブに考えてしまう人は、ネガティブ思考が習慣化しまっているのです。

何か失敗したときには、自分の考え方にはそういった癖があるということを思いだすことで、ネガティブな感情をとめやすくすることができます。失敗をしたときには、ネガティブな考えをポジティブな考えに変える習慣が必要になります。

①永続的か一時的か…『これから先もうまくいくはずがない』という考え方を『今回、たまたまこうなっただけ。次はうまくいく』という考え方に置き換える。

②普遍的か、特定的か…『いまうまくいかないなら、どんな場合もうまくいかないだろう』を『いまうまくいかないのは、この条件に限ったことで、ちがう状況だったら、きっとうまくいく』

③外在的か内在的か…『失敗したのは自分の責任だ』から、『失敗したのは自分のせきにんじゃない○○のせいだ。○○を変えれば次はうまくいく』

少々言い訳めいているので、最初は少し抵抗があるかもしれませんが続けていくうちに切り替えが早くなっていきます。これも『メタ認知能力』が必要な作業です。自分の感情に常に注意を払うことを心がけましょう。