メンタルは強さではなくしなやかさが大事!

メンタルを鍛えることは、かなり以前からビジネスマン必須のスキルでした。『鋼のメンタル』といわれるように、少し前まではどんな逆境にあっても強いメンタルで跳ね返すという考え方が主流でした。どちらかといえばタフでマッチョなイメージがあります。

しかし、どんなに強い金属でも強い圧力をかけ続ければ折れてしまうように、人の心も強さだけで乗り越えようとするとある日突然ボキッと折れてしまうかもしれません。日本の働き盛りのビジネスマンにうつや燃え尽き症候群が多いのも、ここに原因があるかもしれません。

メンタルを鍛える概念の一つに『メンタルタフネス』があります。関連した本も何冊も出版され、注目をあびました。これは開発者のジム・レイヤー博士によると、『自分の能力をより高めようと、一貫して努力する』という考えかたです。

メンタルタフネスに必要なのは文字通り『タフ』な態度であり、タフでいるには高い集中力と自己信頼が必要になってきます。プロのアスリートなどはこういった考えに基づいて日々のトレーニングをつづけていることも多いのではないでしょうか。

しかし、集中力は消耗品です。疲れてきたら集中力を維持することは難しくなります。また、逆境にずっとさらされていたら自己信頼をもち続けるのも難しくなってきます。

レジリエンスはこれとは考え方が少しちがいます。レジリエンスの特徴としてよく挙げられるのが『しなやかさ』です。メンタルタフネスが何事にも動じない強靭な精神であるとすれば、レジリエンスはものの捕らえ方の角度を変えたり、自分の感情に注意を向けるなど、冷静で柔軟な態度が求められます。レジリエンスに必要なのは以下のような要素です。

・冷静さ
・柔軟性
・楽観性
・自信力
・人間力
・回復力

です。メンタルタフネスに共通する部分もありますが、柔軟性や楽観性などタフなイメージとは少し遠いところがあります。

逆境を経験すれば確かにある程度メンタルは強くなりますが、何の対策も講じないまま逆境の中にい続けたら、ストレスで心を病んでしまう可能性があります。レジリエンスはそうした中でも冷静に自分の置かれている状況を把握し、環境や周りの人に対する自分の感情を整理したり、違う角度から見ることで失敗や逆境からくるストレスや落ち込みから回復することを目的にしています。

また、人間力というのは思いやりをもつこと、相手の立場にたって考えるということがふくまれています。一見、ビジネスの現場には無縁とも思えますが、世界規模で成功を収めている企業の多くはこうした企業理念が根付いているといわれています。

レジリエンスは企業だけでなく、教育現場でも注目をあびています。学校ではいじめが問題になっています。もちろん、いじめはやるほうが悪いのですが、子どもがどうしてもいじめをしてしまう原因はどこにあるのでしょうか?

はっきりした回答は出すことができませんが、自分の中にある劣等感や不満や怒りをどう処理してよいかわからないことも原因の一つとしてあるのではないでしょうか?それでついつい自分より弱い立場にあるも者にあったってしまうということがあるのかもしれません。

社会人だけでなく、子どもにも心の『しなやかさ』は必要ということではないでしょうか。