自分の置かれた環境に左右される人としない人の違いとは

レジリエンスの高い人と低い人の違いはどこにあるのでしょうか?

2014年のNHKの番組でレジリエンスが紹介されました。この中で、興味深い実験がおこなわれました。けん玉をつかって、レジリエンスの高い人、低い人を見極めるというものです。けん玉は慣れていない人が長時間つづけるのは、かなり根気のいる作業です。

実際、始めてから20分足らずで『もうダメだ~!』とあきらめてしまう人が続出しました。しかしその一方で、1時間以上粘り強く挑戦しつづける人もいました。あきらめてしまう人にはいくつかの共通点がありました。

すぐあきらめてしまう人は、けん玉が成功したときは『やった~!』と大喜びし、失敗すると『あ~!』とがっかりしています。どちらの場合にもいちいち反応が大きいのです。これは一見表情豊かでいいことのように見えますが、小さなことで一喜一憂するというのは、じつは消耗するのが早いということでもあるのです。

消耗が早ければ、あきらめるのも早くなるのは当然です。また、その人たちから聞き取り調査をしてみると、『自分にむいてない』『自分には無理』など、後ろ向きな発言をしていたのです。

一方、粘り強く挑戦し続けた人は、少しづつ上手くなっている、そのうち出来るようになるだろうという考え方をしていたのです。いちいち一喜一憂している人は目の前の結果ばかり見ていて、自分がいま何をしているのかわからなくなり、エネルギーを消耗してしまいます。

また、すぐにあきらめてしまうと、やはり自分はダメなんだという決めつけをしやすくなってしまいます。逆に1時間以上続けられた人は、いつか出来るようになるだろうという楽観性があり、少しづつ成長しているという自己効力感もあります。レジリエンスには大切な要素です。

あきらめのよさ、わるさは生まれつき個人差があるものと思っている人もいるかもしれませんが、習慣を変えれば誰でも身に着けることができます。その習慣は、主に以下の3つがです。

①ネガティブ思考の連鎖をその日のうちに断ち切る。
②ストレスを感じる体験をするたびにレジリエンスを鍛える習慣
③ときどき立ち止まり、自分をふりかえってみる

多少過酷な環境にあっても、この3つの習慣ができている人は仕事で常に結果を出し続けることができるのです。

レジリエンスは筋肉のように誰でも鍛えることができることがわかっています。海外では30年にわたって研究がすすめられ、『レジリエンス・トレーニング』として確立しています。

日本でもレジリエンスを教える団体があり、少しづつ認知されつつあります。このトレーニングを受けると、ほとんどの人がストレスに対処する自分なりの方法を身につけたり、自分を客観的に見ることができるようになった、逆境の中にあっても平気になったなど、おどろくような変化があるようです。

トレーニングを受けるのもいいのですが、自分で生活習慣や考え方を見直すことでレジリエンスを身に着けることも可能です。少しずつでいいので、生活習慣を変える努力をしてみましょう。